最後の恋 【番外編: 礼央目線】
学校で時折見かける紫乃は元気そうに見えた。


無理をしている様子はなかったけど、どこかで吐き出す事も必要だと思った。


俺が紫乃にとって吐き出せる場所にならなきゃと思った。


責任感、義務感…そんな感情も確かにあったかもしれない。


だけど、恋人である前に俺たちは幼馴染だから。


たとえ恋人じゃなかったとしても紫乃の力になりたい。そう思ったはずだ。


新しい年を迎えると、紫乃の両親の離婚問題もいよいよ現実味を増してきた。


「もしかしたら…私、ここにいられなくなるかもしれない。」


ある日の昼休み、紫乃がいきなりそんな事をポロリとこぼした。


「…どうして?」

「ママを一人には出来ないから…。」


そして紫乃は言った。


俺と離れる事が一番辛い…と。
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