最後の恋 【番外編: 礼央目線】
アメリカに帰ってから、それまで以上に必死になって働いた。


会社のため…というよりも、認められて早く日本に帰るためだった。


こっちである程度の実績を残す。


それが父である社長との約束だった。


とりあえず5年ーーー言われていたその期間を1年だけ縮めることが出来た。


高校を卒業してから8年を経て、俺はようやく日本に戻ってきた。


社長や会長の期待する以上の結果をだせたことで、一つだけワガママを言って秘書は自分の目で見て決めさせてもらった。


もちろん、彼女以外にはあり得ない。


いい大人になったはずなのに公私混同してしまった自分が、少し滑稽にも思えた。


彼女は俺を見てどんな反応をするんだろう…。


後になって考えてみたら、再会する前からもうすでに…また彼女に落ちていたのかもしれない。
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