最後の恋 【番外編: 礼央目線】
「…は、初めてのご利用ですね?」

「はい。」


そして、持っていたその本を手渡した。


その女子生徒はやっぱり初めて見る顔だった。


俺たちの学年はどちらかというと女子の方が人数が若干多い上にクラスも多いし、特にこの時期はまだみんな同じような顔に見えてしまう事が多かった。


そして、校舎も1〜4組は北校舎で5〜7組は南校舎と離れている。


さっきまでこのカウンターにいたもう一人の図書委員も確か5組だった気がする。


実際、目にした彼女は目が二重で大きく、特に黒目が大きくて猫みたいだと思った。


今は俯き加減だから顔がよく見えないけど、さっき見上げられていたからか余計にそういう印象を持ったのかもしれない。


ミディアムボブで肩ほどの長さの髪は光に透けてキラキラと光っていた。


声だけで勝手にイメージしていた人物像よりも、はるかに可愛い人だと思った。
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