最後の恋 【番外編: 礼央目線】
「杏奈…」

「…離して…下さい。」

「嫌だと言ったら?」


目の前のドア一枚隔てた向こうにはみんながいる。


それを分かっている彼女も大きな声は出せないようで、今にも消え入りそうな声だった。


「専務、お願い…します。」


そんなに悲しい声で、そんな事を言わないでくれ…


一瞬、ほんの一瞬だけ彼女の手を離しそうになった。


でもやっぱり逃がしてあげることができなくて、俺はこの手の中に彼女を抱きしめキスをした。


逃がしたくない、離れて行って欲しくない気持ちを彼女にぶつけた。
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