最後の恋 【番外編: 礼央目線】
彼女は激しく抵抗できない代わりに俺の肩を掴んだ。


それでも止めることができなかった。


彼女の頬を冷たいものが流れ落ちていくのが分かった。


「泣くほど別れたい、その理由は?」

「……ごめんなさい。」


彼女はまた何も言わない。


何があったのかも、なぜ別れたいのかも。


好きじゃないなら、もう好きじゃないと言ってくれれば…俺だって引き止める事は出来ないのに。


「理由が言えないなら、俺だって認めない。」


それしか言えなかった。


彼女をそのままこの部屋に残し、俺が代わりに出て行った。
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