小悪魔なキミに恋しちゃいました。


"今すぐ家を出てきて"



無茶を承知で送ったメッセージ。



服装はとにかく着替えてきたんだろうというカジュアルさ。



髪の毛も、手ぐしでまとめたのであろうポニーテール。



急いで家を出てきて、慌てふためくキミを見たら、さっきまでの不安なんてどこかへ飛んでいった。



すごいよ、キミは。



……前も、こんなことあったよね。



「ほら、行くよ」



そんなキミを僕は離したくなくて、必死に逃げようとするキミを捕まえて、夏祭りに行った。



……でも、きっとこんなことをしなかったら、キミを傷つけてしまうことはなかったんだろうね。



そして、僕が大切なことを思い出すことも。


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