小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「ねぇ、その手、離してくれない?」
こうして、結局助けに来てしまっていることも。
「僕の茉莉に、手出さないでもらえる?」
僕の茉莉に、なんていかにも僕が彼氏かのように話してしまうことも。
「……ちっ、こいつら彼氏持ちかよ」
「それなら用はねーよ。行こーぜ」
男達は、諦めたようで舌打ちをしながら去っていった。
突然現れた僕に、キミは驚いて目を丸くしながら僕のことを見つめている。
僕は、キミのことを見ることは出来ない。
そんな資格は、僕にはない。
「本当にキミはバカだ」
お願いだから、心配させないで。
じゃないと僕は、キミのことを放っておけなくなる。
これ以上近くにいると、触れてしまいそうで足早にそこを立ち去った。