無駄な紅葉は散り濡れる.
正直、
頭の中は征人のことで
いっぱいで
舞える状態ではなかった。

でも、相手は断りたくても
断ることはできない東宮だ。
舞うしかない。

どう舞えばいいのよ。
今の心で…

出てくるのは国の栄華など
関係ないただ征人を懐かしむ
そんな歌ばかりなのだ。

これでなにを歌えというのか。

どうしようもない
この気持ちも
捨てなきゃいけない。

正直どうしようもない
この気持ちさえ
捨てられれば
征人への想いも
一緒に消すことが
出来るのに…

なぜこの想いは
断ち切りたくても
断ち切れないのだろうか。
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