全ての記憶を《写真》に込めて
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「へぇここがあんたの家ねぇ」
思ったより大きい。ここに一人暮らしでしょ。裕福すぎるんじゃない。
「ごめんね、送ってもらったちゃって」
「別に……… いい?なんかあったらすぐ言ってよ、迷惑とか考えないでよねぇ」
「うん、ありがとう」
また明日ね!晴くん!と言ってそいつは家の鍵を差し込む。
俺はそいつの家から離れようとする。
_______________ピロリンッ。
「え、」
後ろから聞こえたのはメールが届いた時の音。
気になって後ろを見ると、画面を見たまま固まるそいつ。
「何、どうしたの?」
「は、晴くん…………これ…………」
恐る恐る渡される携帯の画面にはたったの一文が打ち込まれていた。
「何これ…」
書かれていたのは、
《なんで他の男を呼んでるの?》
なんで俺がいることを………?
「誰なの………?近くで、見てるの……?」