愛されたいのはお互い様で…。
「あ、し、た」
「今日だった」
同じ日の事を聞き合ってたなんて。
「違う。…私の印象では明日なの。
目が覚めて、…初めて務をちゃんと見たんだから。それは夜中だった。という事は、日はもう跨いでいたって事でしょ?」
「俺は紫に会ったのは今日だ。今日、会って連れて帰ったんだから」
…。
「だから務的にはそれでいいんじゃない?
私は、記憶が無いんだから、明日、なの」
…。
「じゃあ、二日に渡ってって事でいいんじゃないか」
「…うん」
ふぅぅ、でも、もうそれだって…。
「紫、俺はな…紫が妄想で俺を色々疑ってた事、考えてみたら、嬉しくなってたよ。こんな考え方…可笑しいかも知れないな。…俺可笑しいのかも。
でも、まあ…、疑うって事はその間は考えてる訳だろ?俺の事。
俺らは会えない時間の方が断然長いからな…。だからその間の事を、解らないからずっと考えてたって事だ。解らないんだから、悪い事に考えが行きがちになるのは普通だ…そうなって当たり前なんだよ」
「考えるは考えてたけど、ほぼ疑ってただけだよ?…普通は…好きって思いを募らせて…で、何してるんだろう、とかって思い方をするのが、嬉しいになるんじゃないの?可笑しいよ務」
「ああ、可笑しいかも知れないけど、そこに紫の嫉妬が見え隠れしてると思うんだ。それを思うと嬉しい」
「…前向き」
「…前向きも何も、俺の事、無いって思うなら、とうの昔に、紫は終わりにしようって言って来てるはずだ。だけど、終わりにしたのは、俺が紫を信じなかったと思ったからだろ?
それまでは、疑心暗鬼になりながらでも終わらせようなんて思って無かった。
だから、悪いのは俺なんだ。原因は俺だ」