愛されたいのはお互い様で…。


「私ね、オーダーで靴、作って見ようかなって思ってる」

「あー、例の店?」

「うん。仕事で沢山歩いても疲れない靴、展示してある靴を履いて見たんだけど、凄くいいの。デザインも好きに作って貰えるし。
だからお願いしてみようかなと思って。まだ、全然、何もしてないから、いつになるのか、いくらになるのかも解ってないんだけど」

帰って二人で浴びたシャワーは思っていた通り長いモノになった。
そして、今、また、こうして二人で汗を流している。結局だ。散々弄られ焦らされた挙げ句に何度もイかされた。

「呑気だな…。いくらくらいになるのか聞くのが先だろ…まあ、金額が気にならないならだけど。信用はあるんだろ?法外な請求をされる訳でも無いだろ?」

「多分、大丈夫だと思う。悪徳商売なんて感じはしないから。…ねえ?もう少し、温度下げてもいい?」

「水にするか?」

「や。そこまでしたらキツイかも、流石に寒くて鳥肌が立っちゃう」

「解った…ちょっと待てよ」

…あ。少し温くなって楽になった。これで暫く居ればやっと汗が引いていきそう。

「…はぁ、…気持ちいい…」

あ、こんなの誤解の元。ずっと後ろから抱かれてシャワーを浴びていたのに。

「…紫、こっち向いて首に腕を回して?」

…まずい。

キュッとシャワーを止められた。前から私を抱えて浴室を出た。

「務…あ」


そのままベッドに倒されてしまった。

「紫のせいだ…発情した…」

身体は直ぐ深く繋がった。首に回したままの腕で務をきつく抱きしめた。

「あ…もう…務、…」

発情したって…そんなストレートに…。

「…ん、したくなったんだ。…店では…二人なのか?」

回された腕に強く抱かれた。私、店主の事、詳しく話したっけ…。

「靴屋さん?他にお客さんが居なければ…二人になるかな。他に…従業員さんは居ないのかも…ぁ」

「若いのか?老人なのか?男なんだろ?…いい感じの男なのか?…ん?…ん゙、ん…どうなん、だ…」

「ぁ、務……待って。…不思議な魅力のある人かな」

ん、…務…。

「…そうか」

…何?別に嘘は言ってない。見て感じたままを伝えただけよ?
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