愛されたいのはお互い様で…。
「食べ残すのは駄目ですよ?食べる為に作った物を粗末にする事は嫌いですから。
時間が掛かってもいいから、自分の分は食べ切ってください。食が進まないとか勘違いですからね。脳はいくらでも騙せます。
起きて糖分を欲している脳には栄養が必要なんです。それは紫さんが食べなければ、いつまでも満たされませんよ?
…身体によくないですから、食べてくださいって事です」
「…はい」
ぼそぼそと食べていたから親のように注意されてしまった。
「あ、それから、頭の中で、一人で考えを巡らせても解決はしませんよ?
メールなり、電話するなりして、話を聞いてみる事です。紫さんがややこしくしているだけかも知れませんから。
そして、人となりを間違いなく判断する事です」
「…はい」
「もう…、こんな話をしては…美味しく食べられるはずも無いですね。
…そうだ、紫さんのキス、頂いた分、仕事を捗らせないといけませんね。
後で工房を覗きに来てください」
それ…そういう風に言われると、何だか、やっぱり…複雑。
のろのろしている私は別として、先に済ませた伊住さんは朝食の後片付けをして、もうお店に出るようだ。
「ここで好きにしてて構いませんからね。何でも自由に使って」
「はい。あの、何か手伝える事は無いですか?」
「そうですね。では、普通に、掃除機を掛けて頂いて、昼食を作ってくれますか?」
「はい。お昼は何がいいですか?」
「冷蔵庫にある物で、好きに、何を作って頂いても構いませんから。
大体ですが、1時前になると思いますから、その頃を目安に。
好きな時間に好きなようにお茶してくださっていいですからね。とにかく、どこを見ても触っても大丈夫ですから、楽に居てください」
「解りました」
「では、よろしくお願いしますね」
「はい」