愛を教えて
シャリリンとバーの扉を開き中に入る。
「雪ちゃんいらっしゃい。」
そう言って私を出迎えてくれたのは、バーのマスター。
いつもバーの店にいて私が、この店の常連客になっているのは2、3回ここに来てマスターに声をかけられてから来るようになった。
マスターは喋りやすく50代に見えないくらいのハンサムさん。
そして、とても愛妻家である。
「マスター…」
「あれ、雪ちゃん今日は元気ないね。どうしたの?」
「遂に一人ぼっちです。」
笑顔を一生懸命貼り付けてそう言ったら、
マスターがなぜかムッとしていた。
なぜだろう。
「雪菜ちゃん。悲しい時に笑顔なんてもっと辛くなるだけだよ。」
「マ、マスター…、ありがとうございます…」
少し涙を流し、それからというもの
マスターはまた話を聞いてくれて、気も少し楽になった。
5杯以上に飲んだ気がしたんだけど、それっきり何が起きたのか全く覚えはなく…
朝目が覚めた時には知らない場所にいた。