クールな外科医のイジワルな溺愛

「でも完治するまでって約束だから、せいぜいあと一か月くらいですよ」

「その間に恋愛に持ち込む気ね。いつの間にか彼にとっていなくてはならない存在になり、そのままセレブ妻の座に……」

「いやー、うらやましーい。代わってほしーい! 私も救急車で運ばれたーい!」

ナミ先輩が勝手に妄想を暴走させ、後輩が悔しそうな顔でどんどんと机を叩く。

あんたねえ。まず膝割ってみなよ。すっごく痛いんだから。リハビリも大変なんだから。

「下手すりゃ死ぬところだったんだからね」

五体満足で生きられることに感謝しなよね。かくいう私も今までそんなこと思いもしなかったけど。

「わかったわかった。とにかく、花穂が休みの間の仕事をフォローしてあげた私たちにできることはただひとつ」

人差し指を私の顔の真ん前に突き出すナミ先輩。

「見返り求めるんですか」

「当たり前よ。気を遣わなくてもいいから、時間と労力を使ってちょうだい。私たちとドクターたちの飲み会をセッティングするのよ!」

そう来たかー!

嫌だよ、飲み会なんて面倒臭いよ。しかも幹事をやれってことじゃん? 他の二人も大きくうなずいているし。


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