クールな外科医のイジワルな溺愛


「……ますか……聞こえますか……」

遠くの方から私を呼ぶ声がする。重いまぶたを開けると、何人もの人が私を見下ろしていてビックリした。

全身が痛い。足も手も全然動かない。私、どうなっちゃったの?

「大丈夫ですからね。今からオペをします。輸血に同意してくれますね?」

オペ……? どうやら看護師らしい人が私を覗き込んで言う。何かわからないけど、この人が私を助けてくれるなら。こくりとうなずく。

「移動します。せーのっ」

体の下で布のような何かが引っ張られるような感覚がしたと思ったら、私を覗き込んでいた何人かの看護師さんに一瞬で何かの台に移動させられた。背中が痛い。ベッドではなさそうだ。

「麻酔をかけます。ゆっくり数を数えて」

麻酔医らしき人がやってきて、足に注射した後にそう言う。けれど数を数える余裕なんてない。痛みは容赦なく襲ってくる。息苦しく、このまま死んでしまった方が良いと思えるくらい。麻酔じゃなくても、痛みで気を失いそう。

「先生。よろしくお願いします」

何かに乗せられたまま、先ほどまでのスクラブではなく手術衣に着替えた看護師さんたちに運ばれ、別の部屋に移動する。その頃にはまた意識が朦朧としてきていた。

「ここがどこだかわかりますか」


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