クールな外科医のイジワルな溺愛


今度は男の人に覗き込まれる。術衣にマスク、帽子をしているので顔がよくわからない。でも、良い声だなあとぼんやり思った。

「びょういん……?」

「そうです。僕が今からあなたの足を手術する黒崎と言います。よろしく。一緒に頑張りましょう」

ああ、お医者さんか……足を手術だって? 私の足、どうなってるんだろう。見えないけど、折れたりしてるのかな。

なんとか目だけうなずくと、先生もこくりとうなずいた。“大丈夫、何も心配しなくていい”と言うように。頼りがいのある目元だなと思っているうちに、麻酔のせいか徐々に意識が遠のいた。

手術室のはずが、体の上にあった丸いライトがぐんと空高く昇っていく。するとそこから虹色のカーテンが私の周りに落ちてきた。なんだこれ。さびれた遊園地の小さなメリーゴーランドに乗っているように、ゆっくりとカーテンの中をカゴに乗ってぐるぐる回る。そんな夢を見ながら、いつの間にか完全に眠ってしまっていた。


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