愛され過ぎて…ちょっと引いてます
「さあ、ではこれから副社長の部屋に行きます。あちらにも千堂さんのデスクが用意されていますので、とりあえず私物を持って行きましょう。では香月さん、後はよろしくお願いします」

「はい、承知いたしました」

そして向井室長はデスク横に置いておいた革のアタッシュケースを手に取ると、ドアに向かって歩き出したので、私も急いで自分のデスクに行き、バッグを持ち室長を追いかける。

秘書室から出ると、向井室長は廊下で待っていてくれた。

「大丈夫ですか?」

かけてくれる言葉は優しい。

「....はい」

濁る答えに表情も曇る。

不安と動揺でいっぱいいっぱいだよ。

今の私の状態で副社長専属ができるはずがない。みんなが思う通り、『どうして私が?』という疑問が拭えない。

そんな私の反応を見ると向井室長は歩き出したので、私もその後ろを歩く。

副社長室の前に着いて中に入るのかと思っていたのに、通り過ぎ向かったのは役員会議室だった。


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