恋するオフィスの禁止事項 ※2021.8.23 番外編up!※
先輩みたいなイケメン上司とふたりきりで飲むなんてもちろん初めてで、周りの女の人の視線をちらちらと感じる。
そりゃそうだ、こんなに格好いい人がビールを飲みながら私の頭をぐりぐりと撫でているんだから。
私自身、アフターファイブの先輩とふたりで飲みに行った女性社員はいないと聞いて、こんなレアな先輩を見れたことにドキドキが止まらない。
本当、これは同じチームの特権だ。
先輩が私の育成係じゃなかったら、きっとこんなふうにはならなかった。
桐谷さんにこんなことをされたら、一緒にチームを組んだ女の子は仕事どころではないはずだ。
「先輩は、社内恋愛って嫌ですか?」
私は浅見さんから入れ知恵されたことをさっそく質問してみた。
すると先輩はグラスの飲み口を唇に当てていたのに、それを飲まずに置いた。
代わりに、私を見つめ返して、質問を返した。
「あー……水野、それは、どういう意味?」
また困ったような顔をして。
「先輩は業務後に職場の女の子と出掛けないって噂を聞いたんです。それって社内恋愛が嫌だからなのかなって」
「ああ、なんだそういうことか。……まあ、面倒なんだよな、職場で一緒に仕事しなきゃならない奴とプライベートでそういう雰囲気になるのが。絶対仕事に影響すんだろ?」
「まあ、女性はそうでしょうね。仕事中だからって恋愛と切り離せない人もいると思いますよ」
「その類いは散々な目に会ってきたからな。仕事でチーム同じ社員とか、こっちは仕事の話をしてんのに、向こうは色恋を絡めた話をしてくる。そういうのはうんざりなんだよ」
「なるほどぉ。じゃあ先輩は、同じ職場の人と付き合うのはナシってことなんですね」
「……いやまあ、別に、例外もあると思うけど」
「え?」