恋するオフィスの禁止事項 ※2021.8.23 番外編up!※
二件目に行った後は夜の十一時を過ぎていた。
意識がなくなるほどではなかったけれど、私はいつもよりも酔っていた。
誘われれば三件目もアリかもなんて思っていたところだったけれど、桐谷さんは「日付が変わる前に帰す」としきりに言っているので、時間的にこれで解散となる。
「それじゃあ先輩、今日は本当にありがとうございました。あの、驕るって言ったのに、驕られちゃって本当にいいんでしょうか……」
「ばーか。最初からそのつもりだよ。お前の祝賀会なんだからさ」
「なんだかすみません。それじゃあ、気をつけて帰って下さいね!」
「いや待てよ、こんな遅いんだから送ってくに決まってんだろ。家どこ?」
「えっ、でも私の家、ここからふた駅乗りますよ?」
「近いじゃん。行こーぜ」
有無を言わさず丸め込まれるように頭の後ろをふわりと触られて、駅のホームへと誘導されていく。
ホームに入ると添えられた手が離されて、その後ろ姿に着いていきながら、改めて桐谷さんって本当に格好いいんだな、と素直に見惚れてしまった。