所長による小動物系女子の捕獲計画
「だからさ、お前が評価されたら、俺の判断は間違ってなかったって事だろ」


なんで多和田さんのノミネートが染谷さんの判断があってた理由になるんだろう?分からなくて横を見上げたら、多和田さんも困惑した顔でこっちを見ている。状況にも対処にも困ってるらしい。

「あのー、染谷さん?」

遠慮がちに声をかけたら、分かってもらえないことが不服らしく、拗ねたように解説してくれる。

「だからさー。多和田が凄いって事が証明されたらさ、俺が設計すんの止めたのが正しいってなるじゃん」

「待て。お前が設計止めた理由は俺なのか?」

「だから、言ってんじゃん。お前と知り合って、作品見て、俺は思ったんだよ。あー、俺才能ないなーって」

「お前が才能ないわけないだろう。教授だって」

「違げーよ。俺は半端に才能あるからわかっちゃったのー。多和田に比べたら、所詮、俺の才能なんて並みだーって。だから、俺は多和田の才能をみんなに教える人間になろーって」
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