恋をするならきみがいい。
だから私は今日も言う。
誰もいない放課後。先生に雑用を押し付けられた私たちは仲良く教室でプリントをまとめていた。
「っていうか廊下でふざけてたのって笹原だよね」
「でも小野寺も混ざりたそうな顔してたじゃん」
さすがにプロレスには興味なかったけど、そのおかげでこうして笹原とペナルティを受けることになったし、痛くないヘッドロックも捨てたもんじゃない。
「あのさ」
「うん?」
私が問いかけると笹原はホチキスを留めながらの返事。
ホチキスが上手く扱えない不器用なところも、実は可愛いとか思ってたりする。
「私、笹原のこと好きだから」
飽き性で熱しやすく冷めやすい私がこんなにも長続きしてることって笹原への片想いぐらいしか思いつかない。
「はは、30回目」
そう微笑みながら、ガチャンと笹原が留めたホチキスの音が教室に響く。
笑ってほしくて、
元気になってほしくて、
それだけの理由で30回も〝好き〟を伝えたわけじゃない。
私も諦めたくなかった。
だから、やっぱり想いが溢れた。
笹原はきっとまた新しい恋をするだろう。
その相手は私じゃない。
それでも私だったらいいな、ってそんな諦められない気持ちが今も強く胸を叩く。