これを愛と呼ばぬなら
翌日の昼休み、昼食をさっさとすませ、私は鷲尾さんがいる営業二課のフロアを訪ねた。
私を助けてくれたのは、鷲尾慧さん。営業二課の係長で、実は新井さんや中條さんと同期らしい。新井さんが言うには、『誰よりも意欲的でバリバリと仕事をこなす仕事の鬼。あの中條も、鷲尾には一目置いている』のだそうだ。
自動ドアを通り、営業二課のスペースに足を踏み入れる。昼休みだというのに電話に出ている人、奥のブースで来客に対応している人と皆忙しそうにしている。営業って、こんな感じなんだ。しょっちゅう電話が鳴って、なんだか雑然としている。
さっとフロアを見渡すと、窓際に立ち、電話をかけている鷲尾さんと目があった。鷲尾さんは私に気づくと、電話を切って私に向かって手招きした。
「すみません、お電話の邪魔をして」
「いいの、もう終わるところだったから。ちょうどよかった。私も潮月さんのところに伺おうと思ってたの。ここで話すのもなんだから、隣のミーティングルームへ行きましょうか」
「はい」