41才の中学2年生

チャッピーの顔、落書きしてやろうぜ!


オレと龍也は職員室でチャイムが鳴るまでお説教を食らった…

で、ようやく解放されたのだが、
龍也のおでこに【肉】とマジックで書かれたままだ。

龍也「ったくよ、何だこの文字は!これじゃスゲーみっともねえじゃねえかよ!」

オレ「それ書いたのオレじゃねえぞ、チャッピーだからな」

龍也「…チャッピーが?」

オレ「そうだよ、お前がのびてる間にマジックで肉って書いたんだよ、ウソだと思うなら他のヤツに聞いてみりゃいいだろ」

オレと龍也は職員室を出て、教室に向かうまでの間、こんなやりとりをした。

オレ「あっ、オレもマジックで書いてみようかな」

龍也「…はっ?」

オレは学ランのポケットに入っていた黒の油性マジックを出して自分の頬に【B-T】と書いた。

オレ「ほら、これならお互いマジックに落書きしてあるからいいじゃねえか」

オレも何だか自分の顔に落書きしてみたくて思わず頬っぺたに書いてみたw
特に意味は無いが、何となく面白そうだからやってみただけなんだけどね。

龍也「テメーそれBUCK-TICKのギターじゃねえか!オレなんかキン肉マンの肉だぞ!」

BUCK-TICKのギタリスト今井寿が頬っぺたに必ずB-Tと書いてあるのを真似しただけだったw

だってこんなバカな事出来るのって中2じゃなきゃ出来ないじゃん?

まさか41才で頬っぺたに落書きして通勤なんて出来ないからなw
う~ん、こうやってアホな事出来るのはこの年齢だから許されるようなもんだ(…いや、例え中2でも許されないんだが…)

龍也「あのチビ、オレの顔に落書きするとは…今からボコってやろうか、クソガキが」

オレ「止めとけ止めとけ、また職員室に呼び出し食らうだけだろ?それよか二人でチャッピーの顔に思いっきり落書きしてやろうぜ」

龍也「落書きってどんな風にだよ?」

そう言えば、オレとコイツは1年生の頃はよく一緒に帰ったぐらい、仲が良かったんだよな…

何がきっかけでいがみ合うようになったんだっけか?

…思い当たるフシはいっぱいあるんだがw

あぁ、そうだ!確か中1の3学期のテストでコイツ100点中2点という大笑いな点数取って、それをオレが皆に見せびらかしてから、険悪な仲になったんだ、今思い出した!

オレは100点中10点だったけどなw

コイツとオレは常にビリを争う程、頭が悪かったんだ、こりゃ目くそ鼻くそ、五十歩百歩、まぁそんなもんだ。

オレ「教室に入ったら、アイツの眉毛マジックで繋げるように書いてやろうぜwついでにカールのオジサンみたいに口の周りヒゲ書いたらウケるべ?」

階段を下りながらそんな事を話し合っていた。

龍也「じゃ、休み時間中にやるか」

オレ「おしっ、じゃダッシュでチャッピーとっ捕まえて落書きしてやろうぜ」

いつの間にか意気投合したオレらはダッシュで教室に入り、チャッピーをとっ捕まえた。

龍也「おいこら!テメーがオレのおでこに落書きするとはいい度胸してんじゃねぇか、あぁ?」

オレ「龍也、もう休み時間終わるぞ、ソッコーで書いちまえ!」

オレらは嫌がるチャッピーを押さえつけマジックで眉毛と眉毛の間を黒く塗り、一本眉毛にした。

オレ「ギャハハハハハ!龍也見ろよ、これじゃ両さんの眉毛だぜ!あぁ~笑えるw次カールのオジサンみたいなドロボーヒゲ書いてやれ」

ちなみに両さんの眉毛とは、【こち亀】の主人公、両津勘吉の眉毛の事だ。


チャッピー「や、止めてくれよ…誰か助けてよ~っ!」

龍也「テメー、人のツラに落書きしておいて逃げるたぁ、どういうつもりだ、おいっ!おとなしくしてろ、このチビ!」



…そしてチャッピーの顔は繋がった眉毛に、口の周りが黒く塗られていた…

龍也「ギャハハハハハ!は、腹痛え~っ!何だこの顔…www」

オレ「wwwスゲーマヌケな顔だぞ!しかし…」

オレ&龍也「ギャッハハハハハハハハハハハ!」

オレたちの笑いにつられて、クラスの連中もチャッピーの情けない顔に大爆笑だ。

チャッピー「…オレ、何にもしてないのに…何でこんな事すんだよ~っ(泣)」

オレ「バカヤロー、テメーが龍也のおでこに肉って書くのが悪いんだろがっ!オレなんて見ろ!頬っぺたにB-Tって落書きしてあるんだぞ!」

龍也「それはお前が勝手に書いただけじゃぇかwwwしかし、プッククク…」

オレ&龍也「ギャハハハハハ!スゲー笑えるな、おい」

【キーンコーンカーンコーン】

…あ、チャイム鳴った!

オレたちはソッコーに席に着いた。

次の授業は社会科だ…社会科って、あの学年主任の北山か!

こりゃまたオレたち大目玉食らいそうだ…


…結局この授業も、オレたち3人が顔に落書きしてあるせいか、周りからクスクスと笑う声がして、チャッピーの両さん眉毛と、カールオジサンのドロボーヒゲが可笑しすぎて笑いを堪えるのに必死だったw
で、オレと龍也、そしてチャッピーの3人はまた延々と説得食らったまま、チャイムが鳴った。

でも、気がついたら、オレと龍也はいつの間にかいがみ合う事は無くなった。

このマジックで落書きしたせいで。

犠牲になったのはチャッピーだが、コイツは前から気に入らなかったヤツも多かったし、

コイツがマヌケなツラになってくれたお陰で笑ってクラスが1つになったんだから、良しとしよう!

チャッピー!
お前のお陰で龍也といがみ合う事は無くなった…

だから…だから今日1日、そのツラでいてくれ!ギャッハハハハハハハハハハハ!

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