はたらかなくても、はたらいても君が好き
・・・・。
ドアが開く気配がない。
やっぱり居ないんだ。
ガチャッ。
「君は…」
黒井秘書だ!!
「あの…突然すいません。
総務部の馬場と申しますが、増月社長に用があって来ました。
社長は居ますでしょうか?」
「社長は…」
「用とは…」
奥の方から声が聞こえてきた。
増月社長…。
増月社長は茶色の社長イスに座っている。
「忘れ物を届けに来ました」
「…忘れ物?」
「本当に社長のものなんですか?
私が確認をするので見せ…」
「中に入れ…」
「はい。あの…」
黒井秘書がどいてくれない。
「黒井…邪魔だ…」
「申し訳ありません…。
どうぞ…」
黒井秘書にニコッと笑いかけられるが分かる。
私は歓迎されていない。
もしかして黒井秘書は…。
「失礼します…」
私が増月社長の机の前まで来ると
「見せてくれ…」
増月社長が手を出す。
「はい…」
私が増月社長の忘れ物である万年筆を渡そうとすると
「その前に、彼女に説明する事がありますよね。
社長」
説明?
「俺のものか…確認してからだ…」
「社長」
「説明って…何ですか?」
「それは…」
「社長が君にキスした事の説明です」
「黒井!!」
「安心して下さい。私以外の人は見ても居ないし、気づいてもいません。
暗い中だったのが幸いでした」
「そうですか…」
やっぱり見てたんですね…。
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