はたらかなくても、はたらいても君が好き
「ああ…」
増月社長がじっと私を見つめる。
「社長!! 行きましょう!!!」
黒井秘書に促されて増月社長は私に背を向け、エレベーターをおり、1度も振り返る事なく去っていった。
増月社長…。
「君!!」
「はい!!」
黒井秘書、まだ居たんだ…。
「話があるので、6階の食堂に来て下さい。
あっ、心配しないで下さい。君の上司の遠峰部長には私が連絡しておきますので。
じゃあ、後ほど」
「はい…」
黒井秘書の作り笑顔。
今日は一段と怖いですねぇ…。
食堂に行きたくない…。
でも、行かないと何かされそうだ…。
うん…。行くしかないね…。
でも、これを持って行くわけには…。
食堂は6階…。
第2資料室は10階…。
10階で降りて、第2資料室に段ボール箱を置いてから、6階の食堂に行くか…。
エレベーターの扉が閉まり出す。
あっ。待って!!!
私はあわててエレベーターを降りた。
普通のエレベーターで降りた方が安全だからね。
「すいません」
私が6階の食堂に着くと、もうすでに黒井秘書が居て、一番左奥の目立たない席に座っていた。
「遅かったですね…。
ああ…荷物を置いて来たんですか…」
私が段ボール箱を持ってたの覚えてたんだ…。
「はい…」
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