はたらかなくても、はたらいても君が好き
「理解したのが社長の心…。
恋心とはね…」
「すいません…」
「全く…こんな事まで言わないといけなくなるとは思いもしませんでしたよ。
君なら自分の立場ぐらい理解していると思ってたんですがね…。
理解したのが社長の心…。
恋心とはね…」
「自分の立場は分かっています。
でも」
「“好きになってしまったんだから、仕方ないでしょ?”それは先程言った通り、理解出来ます。
“社長も私を好きなんだから、秘書のあんたも認めなさいよ”」
「あんたなんて…」
「認めたくないですね。嫌です。
絶対に!!!
認めたくなんか…ないですよ…」
「黒井さ…秘書…」
泣いてる…。
少しだが黒井秘書は泣いていて、私は自分のズボンのポケットからハンカチを取り出して黒井秘書に差し出すが、一歩遅く。
黒井秘書は着ている黒のジャケットの内ポケットから白いハンカチを出して軽く涙を拭うと、ハンカチを内ポケットに戻した。
私も不要になったハンカチを自分のズボンのポケットに戻した。
「“何で泣いてんだよ”って思ってますよね?」
「“何で泣いてんだよ”じゃなくて、何で泣いてるんだろうなとは…」
「悔しいからですよ…。
君に負けて…」
「私に…負けて?」
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