はたらかなくても、はたらいても君が好き
「増月社長…離して下さい…」
私は今、増月社長にトイレの中の壁に両手を押さえつけられている。
増月社長は私の言葉に何も言葉を返さずじっと私を見つめている。
「増月社長…。私を離して、早くここから出てください」
増月社長はまだ私を見つめたままだ。
「増月社長…。誰かに見られたらどうするんですか?」
誰かに見られたら、大変な事になる。
でも、増月社長は私の両手を離す事も、見る事もやめない。
「増月社長…。理性が働かないんですか?」
「いや…働いている…」
「なら、何でこんな事を…」
「俺は誰に見られても、構わない…」
「ダメですよ!!!」
「お前も俺が好きなんだよな?」
「え…」
「前にエレベーターで俺と2回目のキスをした時、お前…目を閉じたよな?
俺は…お前の気持ちを…知りたい」
「私は…」
私は…
「増月社長の事を…」
増月社長の事を…
「好…」
好…
「き…」
き…
「じゃありません」
です…。
「…本当か?」
「本当です」
嘘です…。
「じゃあ…何で2回目のキスの時…目を閉じたんだ?」
「理性が…」
理性が…
「働かなかったんです」
働いてました…。
「だから、したんです」
だけど、したんです…。
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