はたらかなくても、はたらいても君が好き
「自分が手伝うとは言わないのね」
「どうせ、断るだろ」
「うん。
これは私の仕事だから。
部署が違うあんたにも、部下の馬場にも手伝わせるつもりはない」
「そうだな。お前の仕事だな。
でも、ダメだ。馬場を呼ぼう」
「やめてよ!!
帰った馬場を呼び戻すなんて馬鹿じゃないの?
いくら私と一緒に帰りたくて2、3時間以上も待ちたくないからって、関係ない馬場を巻き込むのはやめて。
さっさと1人で帰ってよ!!!」
「嫌だ」
「帰って」
「俺1人では絶対に帰らない」
「帰れ!!!」
「夜にお前1人で帰せるわけないだろ!!!」
「はっ?」
「お前、最近会社の近くで痴漢があったとか、知らないだろ。いや、知らされたとしてもお前の事だ。自分には関係ないとか思って流しただろうな」
「痴漢って…私がされるとでも思ってるわけ? 冗談でしょ? 私なんかがちゃんとされるわけが」
「お前も女だろ?
確かに確率は低いかもしれない。そんな若くないし。でも、可能性はゼロじゃないだろ」
「…心配しすぎでしょう…」
「心配しすぎかもな。
でも、された方が嬉しいだろ?」
「別に」
「…本当は嬉しいんだよな?
俺と一緒に帰りたいよな?」


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