【BL】お荷物くんの奮闘記
「冥地の神殿で召喚された天使はたぶん、ラファエルだと思う。だからおれたちの方にガブリエルが味方してくれたら、レツにも負けないよ」
「ガブリエル……水雹の神殿か。話が通じるといいんだけど……東国でのことが片付いたら、ちょっと行ってみるか」
師匠から引き継いだ記憶のおかげで、ガブリエルにはあまり良い印象がなかった。
今回のミカエルのように、やはり召喚した途端襲いかかってくるとしか考えられないのだが、自分たちが攻撃を仕掛けてしまったら交渉もへったくれもない。
戦わず、殺さずに協力を仰げるならそれに越したことはない。
「うん」
リュータが頷いて、やっと笑った。……それに、やっぱりこいつを同じ天使と戦わせるのは気が引けるなとも思うのだ。
依頼料の代わりに土地の一部を借りたいという話は意外とすんなり通った。
国は滅亡の一途を辿るだろうと誰しもが絶望していた呪いを解決できるのが伝説の大賢者――その実は見習い魔法使いなのだがそのまま勘違いしておいてもらおうと思う――だと知っていて、全ての財を投げ打つ覚悟で使者を送ってきていたらしい。
土地はいったい何に使うのかと訊ねてきたノアに、おまえたちの拠点をあの辺鄙な場所からちゃんとしたところに移す目的で交渉したんだと返すと、彼は喜んで移住の準備を始めた。
連絡を取って、拠点に使っていた建物ごとこの地に転送するらしい。転送にはかなり時間がかかるようで、ノアは一旦ここでパーティーから外れることになった。
「ガブリエル……水雹の神殿か。話が通じるといいんだけど……東国でのことが片付いたら、ちょっと行ってみるか」
師匠から引き継いだ記憶のおかげで、ガブリエルにはあまり良い印象がなかった。
今回のミカエルのように、やはり召喚した途端襲いかかってくるとしか考えられないのだが、自分たちが攻撃を仕掛けてしまったら交渉もへったくれもない。
戦わず、殺さずに協力を仰げるならそれに越したことはない。
「うん」
リュータが頷いて、やっと笑った。……それに、やっぱりこいつを同じ天使と戦わせるのは気が引けるなとも思うのだ。
依頼料の代わりに土地の一部を借りたいという話は意外とすんなり通った。
国は滅亡の一途を辿るだろうと誰しもが絶望していた呪いを解決できるのが伝説の大賢者――その実は見習い魔法使いなのだがそのまま勘違いしておいてもらおうと思う――だと知っていて、全ての財を投げ打つ覚悟で使者を送ってきていたらしい。
土地はいったい何に使うのかと訊ねてきたノアに、おまえたちの拠点をあの辺鄙な場所からちゃんとしたところに移す目的で交渉したんだと返すと、彼は喜んで移住の準備を始めた。
連絡を取って、拠点に使っていた建物ごとこの地に転送するらしい。転送にはかなり時間がかかるようで、ノアは一旦ここでパーティーから外れることになった。