【BL】お荷物くんの奮闘記
「ユウジ、またお金重くなっちゃったけど……」
「MP回復薬買い占める。それでも重かったら最悪重力操作魔法かけて重さだけ軽減すれば――」
重さだけ軽減。自分の言葉でふと思い至る。今まで全く気付いていなかったが、重力操作の術を使えば人類の永遠のテーマである空を自由に飛ぶというのが可能になるのではないか。うわ楽しそう後でやってみよう。
「ユウジ?」
「いやなんでもねえ。アイテム買ったら出るぞ」
こちらが妄想タイムに入っていたのにめざとく気付いてリュータが声をかけてきた。ああこいつは死ぬ気になれば羽根出せるんだっけ。
あめ玉型のMP回復薬をこれでもかというほど購入して、袋にずっしり入った薬と硬貨を足下にリュータと二人で中央都市まで転移する。門前に座標を合わせたのは単に、目立ちたくないからである。
情報収集を開始する前に先に宿を確保した。
MP回復薬はともかく、HP回復薬とスクロールはかさばるだけで今のところほとんど邪魔でしかない。
必要最低限だけを手元に残してすべて部屋に置き、これまでで一度も使われていない勇者の剣も特に役に立ったためしがないので置いておくことにする。
このお荷物でしかない勇者の剣を自分と重ねて見ていた部分もなくはなかったためこう表現してしまうとブーメランなのだが、今は少なくとも回復魔法と補助魔法がそれなりに使えるだけ役には立てていると思いたい。
ヴェルターと会った最初の町でアイテム収納オーブを購入できなかったのは本当に痛いと思う。今度立ち寄る時にまだあの商品が売られていればいいのだけれど。
「MP回復薬買い占める。それでも重かったら最悪重力操作魔法かけて重さだけ軽減すれば――」
重さだけ軽減。自分の言葉でふと思い至る。今まで全く気付いていなかったが、重力操作の術を使えば人類の永遠のテーマである空を自由に飛ぶというのが可能になるのではないか。うわ楽しそう後でやってみよう。
「ユウジ?」
「いやなんでもねえ。アイテム買ったら出るぞ」
こちらが妄想タイムに入っていたのにめざとく気付いてリュータが声をかけてきた。ああこいつは死ぬ気になれば羽根出せるんだっけ。
あめ玉型のMP回復薬をこれでもかというほど購入して、袋にずっしり入った薬と硬貨を足下にリュータと二人で中央都市まで転移する。門前に座標を合わせたのは単に、目立ちたくないからである。
情報収集を開始する前に先に宿を確保した。
MP回復薬はともかく、HP回復薬とスクロールはかさばるだけで今のところほとんど邪魔でしかない。
必要最低限だけを手元に残してすべて部屋に置き、これまでで一度も使われていない勇者の剣も特に役に立ったためしがないので置いておくことにする。
このお荷物でしかない勇者の剣を自分と重ねて見ていた部分もなくはなかったためこう表現してしまうとブーメランなのだが、今は少なくとも回復魔法と補助魔法がそれなりに使えるだけ役には立てていると思いたい。
ヴェルターと会った最初の町でアイテム収納オーブを購入できなかったのは本当に痛いと思う。今度立ち寄る時にまだあの商品が売られていればいいのだけれど。