【BL】お荷物くんの奮闘記
 いつかの竜の番人のように、天使はその身を氷塊に変えて崩れ去っていった。後に残った青色の宝玉が、ひとりでに宙を滑りプロフェットの掌へ転がる。


「……ガブリエルのわからずや」


「わかっておられたのかもしれません。……今まで、この場所でずっと」


 プロフェットが石を両手で包み、リュータの呟きに首を振る。


 ガブリエルは、プロフェットが自由への羨望を押さえ込んで王に従っていたのを、今まで地下で感じ取っていたのかもしれない。

それこそ、彼が彼でなかった頃から。


「使ってみろよ、プロフェット」


 俯いたプロフェットの肩を叩いた。どのみち戦闘になっていたのだから、勝っていたなら結果は同じだった。彼が気に病む必要はない。


「でも、これは君たちが探していた宝玉では」


「オレたちは世界の王に対抗するために、天使に匹敵する強さの仲間を探してただけだ」


「それなら尚更、王に作られているぼくが手にするべきじゃないよ」


「だから、プロフェットは今から王の力に頼らなくても存在を維持できるようになるんだろ。あいつの話だと」


「……いいの、君たちと一緒に行っても」


「歓迎するさ」


 戦力は一人でも多い方がいい。プロフェットが宝玉を抱き、祈るように手を組むのをリュータと二人で見つめる。

冷たい風が彼と自分たちの間に吹き抜けて、プロフェットの背にガブリエルと同じ氷の羽根が広がった。
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