【BL】お荷物くんの奮闘記
向かう風を受けながら、声を上げた。
リュータの放った炎の魔法は自分たちの落下速度よりもいっそう早く地面へ突き進み、地上に着弾。爆発が巻き起こった。
次いで爆風が吹き上がる。熱い風に煽られて、二人はほんの少しだけ上空に引き戻された。
この高さからの落下なら、致命傷は負わないはずだ。来る衝撃に覚悟を決めたところで、リュータが自分を庇うように直前で自ら身体の位置を変えた。一緒に地面に転がっていく。
「リュータ……」
「……あはは、結構、痛かった、ね」
「おまえ、最初からこうするつもりだったな?」
もしあの瞬間、魔法を使わずにそのまま落ちていったとしても、彼は寸前で自分を庇おうとしたのだろう。それがほとんど意味のない行為であっても。
今度はこちらが責める番だった。しかし彼はいつになく幸せそうな表情で、ただ笑うばかりである。
「でも、生きてるよ」
「……だな」
リュータが自分の下で、こちらの頬に手を伸ばしてきた。誘われるように身を寄せて、顔を近付ける。
重なった唇はお互いかさついていて、あまり心地良いものではなかった。
リュータの放った炎の魔法は自分たちの落下速度よりもいっそう早く地面へ突き進み、地上に着弾。爆発が巻き起こった。
次いで爆風が吹き上がる。熱い風に煽られて、二人はほんの少しだけ上空に引き戻された。
この高さからの落下なら、致命傷は負わないはずだ。来る衝撃に覚悟を決めたところで、リュータが自分を庇うように直前で自ら身体の位置を変えた。一緒に地面に転がっていく。
「リュータ……」
「……あはは、結構、痛かった、ね」
「おまえ、最初からこうするつもりだったな?」
もしあの瞬間、魔法を使わずにそのまま落ちていったとしても、彼は寸前で自分を庇おうとしたのだろう。それがほとんど意味のない行為であっても。
今度はこちらが責める番だった。しかし彼はいつになく幸せそうな表情で、ただ笑うばかりである。
「でも、生きてるよ」
「……だな」
リュータが自分の下で、こちらの頬に手を伸ばしてきた。誘われるように身を寄せて、顔を近付ける。
重なった唇はお互いかさついていて、あまり心地良いものではなかった。