【BL】お荷物くんの奮闘記
折り重なって倒れ気を失っていた自分たちを、ヴェルターとノアが助け起こしに来てくれた。
プロフェットもまた爆発を見て駆けつけて、彼の強力な回復魔法で満身創痍の体は見る間に全快した。
二人で分けて所持していたMP回復薬のうちいくつかを、プロフェットから受け取って使用する。
「ちょっと行ってくるわ」
「え?」
天使化からの蘇生と直後のHP、MP消費で疲労が溜まっているのか、プロフェットから回復を受けてもリュータはまだ目を覚まさない。
大丈夫ですか、とリュータに声を掛けていたプロフェットが、こちらの言葉に顔を上げた。
「カイン。あいつ、今ならまだ助けられるかもしれないだろ。
プロフェット、レツに蘇生魔法、頼めるか」
落ちていく魔王城最終フロアを見上げる。
敵として既に対象外になってしまっているなら手の施しようがないが、万に一つでも可能性があるなら、そして自分にできることがあるなら行動した方が後悔をせずに済む。
「うん、地上の城は任せて。……その、気をつけてね」
「いざとなったらリュータの体を座標に設定して飛んで帰れるから大丈夫だ」