スーゼントの怨霊
その間、ナムは攻撃を避け、中年男は刀で鎌を受け止めて反撃の機会を伺っていた。

何故、死神本体を狙わないのかと言うと、胸部分に村人達の顔があり、苦痛の表情を浮かべていたからだ。
もしかしたらハデスを倒せば村人達は蘇るかもしれない。
ナムの中でほんのわずかな希望が生まれた。
蘇らなくても成仏出来たらいいという気持ちも含まれていた。

パワー全開の銃を両手に間合いを計って引き金を引いた。
銃はうねりを上げて銃口から強力な光線を発射する。
中年男めがけて振り上げられた鎌に見事命中、粉々に砕けた鎌の破片が中年男の頭上に降り注ぐ。
男はすかさず死神の首を斬り飛ばした。
複数の悲鳴をあげ、煙となって空へと消えていった。
もう一体の死神は危険を感じたのか大空へ高く舞い上がった。
しかし、ナムは銃をもらう前、クナイのようなナイフでハンターの仕事をこなしており、ナイフでナムの右にでる者はいなかった。
腰につけている革製の小さなカバンには無数のナイフが入っており、その中の一本を取り出して投げた。
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