君ノいない世界 【完】
水を全て包み込むように、心に蓋をしていく。一つ一つ隙間が出来ないように……

『私に会いに来ようなんて、百年早いよ』

脳裏に焼き付いた大好きな声がとうとう幻聴まで聞かせてきた。

君の声を聞きながら死ねるなら本望だ。

なんて、くさいことを考えてたらまた、声がする。

『私があげた手紙読んでないでしょ』

『だからそんなことしてるんだ』

『私が言ったことも忘れちゃった?』
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