君ノいない世界 【完】
「……オっ。リオッ!起きてよっ!リオ……」

遠くから声が聞こえる。
ミクの声か。
そう言えば、返事してなかったな。
タスクの声もする。
目を開けなくっちゃな。
君はいないけど、みんながいる世界に。

「リオが生きてるぅ!」

「リオが目開けてる!」

二つの声が同時に聞こえて、僕をのぞき込む姿が見えた。
「学校のプールだからってなめたらダメって言っただろ」

「うっさい、大体ちょっと驚かしたらプールに入って気絶するのが悪いんだ」

「えぇ、僕!?」

タスクとミクの話では、昨日のことがあり、驚かしたら少しは話しやすくなるのではという馬鹿な理論で背中を押したら、僕がプールに落ちて気絶してしまったらしい。
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