職場恋愛
side 山野


こうなるから席を外そうとしたのにな。


旅行を続けるのは不可能。まさかゆーちゃんが泣くなんて、予想外。

パニック障害でもあんのかね。



腕時計で時間を確認すると7時を過ぎていた。
来てよかったなんて思うもんじゃなかったな。


♪ピリリンピリリン〜

♪ピリリンピリリン〜



今度は誰だよ。


『相田』


相田?あぁ、こいつも昨日いたのか。




「はい」




わざわざ席を立つことなくその場で電話に出た。


『おはようございます。昨日の件は知ってますか』


「知ってる」


『お休みの時にまで仕事の話をして申し訳ないのですが、欠勤連絡が鳴り止まないので何としても山野さんを来させろと、寺内さんから指示がありました。旅行中なんでしたっけ』


はぁ。うぜえ。


「掛け直す」


『お願いします』




「帰るわ」


「誰?」


「相田。欠勤連絡が鳴り止まないから来いって」


俺1人行ったところで穴埋めはできないのにな。

「ふーん。あたしたちに関しては何もなし?」


「ん」


「ならあたしはゆーちゃんとの初旅行、楽しんでもいいよね?」


「いいけど、楽しめんの?」


「楽しむの。どうせここで解散したって会社で会うんだもん。それにあたしは裏なんてないし?ゆーちゃんとこうちゃんもいい子だし。せっかく来たんだから。ね、つり目」


「え、俺?俺はまぁどっちでも」


「じゃ、俺も帰ろ。山ちゃん一緒に帰っていい?」


「そうだな、しまはいない方がいい。帰ろ」


「あたしたちは普通に何も知らない体で満喫してから帰るから。ね、つり目」


「え、あ、うん」


「あたしたちが帰る頃にはいつも通りの会社になってるんだよね」


こいつ、遠回しに解決して来いって言ってんのか。
自分が関ることなく。


別にいいけど。そもそもゆーちゃんとこうちゃんが続行しないって言うかもしれないっていうのは問題じゃないのか。
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