職場恋愛
「怖かったね。でも大丈夫だから」



部屋に着いて背中をさすられながら溢れる涙を拭う。


「も…やめたい…なにもかもっ、最初からやり直したい」


「やり直すのもありなんじゃないかな」


「………」


なんだか久しぶりに感じる航の優しい声。
一晩離れただけなのに。


「結は女の子なんだから、色々と経験してもいいんじゃない?無理してまで続ける必要無いと思うけどな」


どこまで信じていいの。


「結の辛い顔は見たくない。なんなら働かなくてもいいし。とにかく少し休もう?入社1年目はみんな不安と闘ってるけど、ここまで酷い職場はあんまりないんじゃないかな。結はもう十分頑張ってるからさ、お願いだから、笑って?」



どうして航が泣きそうになってるの?



「結」




「守ってあげられなくてごめんね」



あ……。
クマできてる…。


この人に責任押し付けちゃダメだ…。
考え事増やしちゃダメだ。

航は優しいからどこまでもどこまでも心配してくれちゃうよね。


「…私は大丈夫」


頑張って笑顔を作ったけど、もしかしたらすごくブサイクかも。


引きつって。
上手く笑えない……。


「うぅ………ごめ……っ…笑えない……」



「結、ごめんね。守れなくて本当にごめんね。無理に笑わなくていいから、俺を頼って。もっと話を聞かせて。結の思ってること聞かせて。もっと知りたい。俺も頑張るから、お願い、溜め込まないで」
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