職場恋愛
冷や汗が止まらない。この2人の争いなんて見たくないから。


山ちゃんは気が強くて曲がったことが大嫌い。許せないことは絶対に許さないし相手が誰であろうと正論で論破してしまう人だ。


高木ちゃんがしたことは僕からしたら本当に許せないことで、山ちゃんは有給が台無しになってる。

夜の高木ちゃんを思い返すときっとものすごい言い争いになる。


そんな現場には是非とも居合わせたくなかったな…。


でも、山ちゃんは僕が覚悟していたものとは全く逆の口調で話し始めた。








「高木ちゃんが与えたショックっていうか衝撃がどれ程のものか分かるだろ?」


「………」


「携帯の人間はもちろん。他の部署の人も高木ちゃんだけはって思ってたはず」


「………」


「俺なんかは知ってたから別に今更どうこうってわけじゃねーけどさ」


あ……山ちゃん………知ってたんだ。
僕も山ちゃんと同じくらい長く勤めているけどちっとも知らなかったよ。


「どこのマネージャーと比べても抜けててアホな部分は目立つけど」


ディスってる…。


「どこの誰よりも信頼されてたのは高木ちゃんだろ」


うんうん、そうだよ。僕も高木ちゃんだけはって信頼してたよ。


「それを自分から投げ捨てるってやっぱアホかよ」


結局ディス…。


「高木ちゃんにとっては誰かを傷つける事が快感なのかもしれないけど、それは俺だけにしてくんねぇかな。俺は鋼のメンタルだからそう簡単には傷付かないし反抗するから楽しさ半減かもしんないけど」


「………」


「寺内とか不器用な國分みたいに職場を荒らすなら、俺がお前を潰す」


「………」


「起こしたことは消えないし1度無くした信頼はそう簡単には戻らない。携帯でもこの件が原因で辞める人間が出てくるかもしれない」


「………」


「けど俺は、リーダーとしてここで初めて高木虎泰という人間を信じてみたい」
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