職場恋愛
side 國分



退職してからというもの転職活動を続けているがなかなか決まりそうにない。

年齢的にだったり、退職理由に難があるのだろう。


今日面接を受けた会社はIT企業だがここも受かりそうにない。

次に受けるところを決めるために様々な資料に目を通す日々。
それが今の日常だ。

今日もそんな日常の一部だったはずだ。
ほんの5分前までは。












『復帰の時期は、来年がいいかな?』


電話口の男から意味不明なことを言われ首を傾げる。

復帰とは。


『今ね、寺内くんのおかげでお店が大変なことになっているんだ。想像できるだろうけれど』


それで?


『こちらで準備をしていてね。色々と』


色々、ね。


『例えば』


「………」


『寺内くんのクビを切るとか』


へぇ。


『君の新しい席とか』



『全く新しい部署構成とか』



「そうですか」


『私だからできることだよ。どうせまだ定職に就いていないんだろう?』


「そうですね」


『下克上なんて、どうかな』


「………」


『もうすぐ始まるよ。責任者の私を蔑ろにした寺内くんの罪は重い』


「………」



『来週月曜日、お店に来てくれ。待ってる』



あの店の責任者、店長である佐伯からの突然の電話で動揺を隠せなかった。

つか、勝手に待たれても。



月曜は別の面接があるんだがな。
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