職場恋愛
「山野くんは、逢坂くんの働き方を見たことある?事務所じゃなくて売り場の方」


人の良さそうな表情で俺に聞く責任者。
怒ると怖いけど普段はおおらか。

店長の器があると言えばある。
けど人を見る目はないと思ってる。


「多くはないですが」



こうちゃんがリーダーに向いてないのは仕事の仕方云々じゃなくて性格。
ああいう優しさの塊はいつか自分を壊す。


それが目に見えてるから辞めさせたいのに。






「ちなみにだけど、島田くんは面接の時に面白いことを言っていてね」


面接?1年以上前の話をなんで今。


「『どれだけ仕事を評価していただいても上の役職に就く気はありません。絶対昇格させないでください』ってね。人事部はこの発言を気に入って採ったんだよ。そしたら案の定、リーダーの話を断固拒否してきたよ」


責任者は、はっはっはっと楽しそうに笑う。


「最初から自信満々なところが山野くんに似てると私は思う」


いやいや似てない。俺は面接でそんなことは言わない。一緒にすんな。
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