ヘップバーンに捧ぐ
『咲良
順番おかしいけど

俺、咲良のこと好きだ
結婚してください』

「はい………
こちらこそよろしくお願いします

………ん?」『ん?何?』

なんか忘れてないか?

そう言えば、この人
婚約者いる人じゃん………

『なぁ、今、
俺婚約者いる奴じゃんとか思った?』

「前から思ってたんですけど
なんで、そんなに私の心読めるんです?
そうですよ!
婚約者いる人がこんな事しては、
絶対ダメです

パートナーには、誠実であるべきです
当たり前のことですけどね

今のキスは、忘れます

さようなら」

危ない。
足半分、浸かってしまっていたが
まだ、抜け出せる。

『こらっ。自己完結しない。
よく聞いてね
俺に婚約者なんていない。

生涯で初めて、心から好きになったのは
咲良だけだ。

それに嘘偽りないここに誓うよ』

「でも、東洞ホールディングスの
本社に出向いたとか
婚約パーティー開くとか

私、ちゃんと聞いてますよ」

『はぁー。
俺見てて、信用ないかなぁ?
東洞 理沙子は婚約者じゃない。
田野島フーズの田野島会長が
画策してるだけ。

東洞の本社行ったのは俺じゃない
聞いてくれる?』

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