俺様Dr.に愛されすぎて



どちらを選んでも、ある気持ちは、ひとつ。

そう思うと、切なさばかりを感じていた胸が、少し温かさを感じた。



その瞬間、気が緩んだのか私のお腹からはぐう~……と気の抜けた音がした。

その音はもちろん真木先生にも聞こえていたらしい。彼は口元を押さえ、必死に笑いを堪える。



「わ、笑いたいならちゃんと笑えばいいじゃないですか……!」

「いや、さすがに公共の場で大笑いするわけにもいかないしな……」



恥ずかしさから顔を赤くし彼を睨むと、彼は仕切り直すように「ごほん」と咳払いをして立ち上がる。



「じゃあ、飯でも食いに行くか」



そう言って、私の前に手が差し伸べられた。

長い指をした大きな手の意味を少し考えてから察し、私は伸ばした手でその手をとる。



ぎゅっと握られる、ごつごつとした大きな手。

この指を包んでしまう手に、ドキ、ドキ、と胸が鳴る。





それから、真木先生の案内で近くのハワイアン料理の店で軽くランチを済ませた。

南国ムードたっぷりのそのお店は彼のイメージからは少し意外で、聞けば彼も来たのは初めてなのだそう。



どうしてここに?とたずねたら、『藤谷はフレンチよりこういう店のほうが好きそうだと思って』と笑っていた。

たしかに、高級感や堅苦しさのあるお店よりも、にぎわいのあるお店の方が安心する。そう思ってから、やっぱり見透かされてしまっていると思った。



いつでも彼は、私のことばかり。







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