俺様Dr.に愛されすぎて
「藤谷がキスしてくれたら完全復活できる気がするんだけど」
「は!?」
き、キスって!!
ボッと頬を真っ赤にする私を見て、真木先生は横になったまま「ははっ」と笑った。
「藤谷はいちいち真っ赤になってかわいいな」
その発言から、またからかわれていたのだろう。
頬を赤くしたまま、感じるのは悔しさ。だけどその片隅に芽生える、その笑顔への愛しさ。
またからかわれた、悔しい。
けど、その笑顔が愛しい。
込み上げる愛情は、触れたいという衝動となって現れる。
横になったままの彼にそっと顔を近づけた。
そして、その頬の下、唇のすぐ横にそっと唇で触れた。
ほんの少し触れて、すぐ離した唇。
きっと、いっそう赤くなっているだろう顔で真木先生を見た。
「……藤、谷?」
まさか本当にするとは思わなかったのだろう。横になったままの彼は、ぽかんとした顔で私を見る。
「満足、してもらえました?」
ぼそ、とたずねると、真木先生は無言のままごろんと体の向きを横にして顔を背ける。
さ、さすがにやりすぎた?
その反応に、そんな不安を感じて彼を見た。が、よく見ればその頬だけでなく耳まで赤い。