俺様Dr.に愛されすぎて
……大変、だよね。
医師としての仕事はもちろん。それに加え、優しい人だから、いろいろな人のことを考えるのだろう。
頑張りすぎないで。
そう思う反面、患者さんに真っ直ぐに向き合い笑う彼の眩しさが好きだ。
仕事上、いろんな医師と出会うけれど、彼のような人がいる一方で、そうじゃない人もいるから。
だからこそ、余計に。いい先生だと思う。
人として、医師として、好き。
じゃあ、異性としては?
……そう思ったときに、また胸はドキ、と強く音を立てる。
違う、そうじゃない。
だってからかわれてるだけかもしれないし。本気なんかじゃないかもしれない。
だけど、いくら自分にそう言い聞かせても、この心は言うことなどきいてくれない。
彼の柔らかな茶色い髪を、そっと指先で撫でる。
その柔らかさに感じるのは、この前のデートの日と同じ感情。
彼が、愛しいという気持ち。
その髪を触っていると、彼がそっと目をひらく。
「……くすぐったくて眠れないんだけど」
「あ!すみません」
はっとして手を引っ込めると、真木先生は小さく笑った。
「少しは元気になりましたか?」
「うーん……少し足りない気がするなぁ」
「足りない?」
って、なにが?
量だろうか、それとも肉の割合だろうか。そう思ったところで、彼は伸ばした手で私の唇をそっと撫でる。