俺様Dr.に愛されすぎて
「どうしたんですか?今度はいきなりニヤニヤして」
「えへへ、真木先生が21日の誕生日にデートしようって」
「へぇ、誕生日に……」
浮かれる私に対して、彼はなにか言いたげな顔をした。
「なに?どうかした?」
「いや、その連絡ひとつでコロッと幸せそうな顔になっちゃったなーって思って」
そう言う永野くんは、どうしてか少し切なげな目をする。けれど、その表情を隠すように笑ってみせた。
「よかったですね、30歳の誕生日楽しんできてくださいね!」
「……いや、28だから」
「えっ!?あっ!」
さすがに年齢を間違えられると笑顔では流せず、口元をピクッと震わせる。そんな私に彼は慌てて「ごめんなさい!!」と頭を下げた。
ったく、ギリギリ20代だってば。たかがふたつ、されどふたつ。間違えないでほしい。
そう腹を立てながらも、真木先生のメッセージをふたたび見れば、心が躍ってしまう。
デート、だ。
なに着ようかな、どこいこうかな。
真木先生で心がいっぱいになってしまう。