俺様Dr.に愛されすぎて



「ひゃっ!?」



い、いきなりなにを!?

驚きと恥ずかしさでいっそう顔を真っ赤にして彼を振り向けば、その反応に嬉しそうに笑う真木先生の姿がある。



か、からかわれた……!

またこうやって私をからかって楽しんでいるんだから!



真っ赤な顔のまま彼をにらむと、その視線を向けられることすらも楽しそうに真木先生は口をひらく。



「お前、今日は何科行くんだ?」

「へ?循環器科ですけど……」

「そうか。なら循環器科の先生には俺から言っておいてやるから、ちょっと付き合え」



付き合えって……どこに?

問いかけるより先に、ちょうどエレベーターが止まる。



そこは3階の内科のあるフロアで、真木先生は私の腕を引くとそのまま降りていつものように診察室へと入る。

そしてそこからつながった先にある部屋へとやってきた。



そこは、横長のソファとテーブル、テレビと小さな冷蔵庫が置かれた部屋。

恐らく、真木先生を始めとした医師たちが普段使っている休憩室……ぞくにいう医局というものなのだと思う。



「よし、誰もいないな」



他の人は出払っているらしいことを確認すると、その言葉とともに、真木先生は部屋の鍵をガチャンと閉めた。

逃げ場を奪うその音に、心臓はドキリと跳ねる。



ふ、ふたりきりで、こんな密室で……一体なにをするつもり!?

最近の彼のおこないのせいか、あらぬことを想像してしまう。



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