俺様Dr.に愛されすぎて



「それとも、なにかしてもよかったか?」

「な!なにいってるんですか!バカなこと言ってないで……その色気もしまってください!」



こうして話している間もつい目がいってしまう、開いたままのシャツの前をしめさせる。



「……お前こそ」

「へ?」



ぼそっとつぶやいた言葉とともに、真木先生は私の上に覆いかぶさる。



「暑いからってそんな薄着で、男と同じベッド入って……隙ありすぎ」



そして、私の首元に顔をうずめたかと思えば、首をがぶ、と甘噛みした。

普段人に触れられ慣れていないところを唇で触れられて、「ひゃっ」と甘い声が出る。



へ、変な声出た……!

恥ずかしさに、頬が赤くなるのを感じていると、その目は笑うことなくじっとこちらを見つめた。



「昨日の話の続き、しよ」

「へ?」



昨日の話の、続き?

その言葉に思い出すのは、昨夜彼がタクシーの中で囁いた言葉。



『藤谷のことが、好きだ』



彼が伝えた、気持ち。



「何度も言うけど、俺は藤谷が好きだ。だから、藤谷の気持ちが知りたい」



私の、気持ち。



嫌い?興味ない?

……ううん。むしろ、はっきりとした好意を抱いている。

嫉妬を感じるほど、こっちだけを見ていてほしいと思ってる。



だけど、ううん、だからこそ。

その言葉を本気にするのが怖い。



< 70 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop