俺様Dr.に愛されすぎて
「それとも、なにかしてもよかったか?」
「な!なにいってるんですか!バカなこと言ってないで……その色気もしまってください!」
こうして話している間もつい目がいってしまう、開いたままのシャツの前をしめさせる。
「……お前こそ」
「へ?」
ぼそっとつぶやいた言葉とともに、真木先生は私の上に覆いかぶさる。
「暑いからってそんな薄着で、男と同じベッド入って……隙ありすぎ」
そして、私の首元に顔をうずめたかと思えば、首をがぶ、と甘噛みした。
普段人に触れられ慣れていないところを唇で触れられて、「ひゃっ」と甘い声が出る。
へ、変な声出た……!
恥ずかしさに、頬が赤くなるのを感じていると、その目は笑うことなくじっとこちらを見つめた。
「昨日の話の続き、しよ」
「へ?」
昨日の話の、続き?
その言葉に思い出すのは、昨夜彼がタクシーの中で囁いた言葉。
『藤谷のことが、好きだ』
彼が伝えた、気持ち。
「何度も言うけど、俺は藤谷が好きだ。だから、藤谷の気持ちが知りたい」
私の、気持ち。
嫌い?興味ない?
……ううん。むしろ、はっきりとした好意を抱いている。
嫉妬を感じるほど、こっちだけを見ていてほしいと思ってる。
だけど、ううん、だからこそ。
その言葉を本気にするのが怖い。