【短】sand castles
掴もうとして、空を切るように伸ばす腕。
まるで、零れ落ちていく砂のようで…。
握り締めた手の平を恐る恐る開いても、何も残っていないから。



「ねぇ?…もっと好きだって言えばよかったの…?」



この胸に流れる想いは、全てを貴方に打ち明けられぬまま塊になった。
残像となった貴方に…幾ら掻き口説かれたとしても。
あたしには…応える術がなかった。



築こうとしても、後から後から打ち寄せる波に邪魔され。
崩れ落ちてく砂の城。
涙はやがてカラカラに渇いて…灰のように心へと降り積もる。


体だけ欲しても…心は満たされないの。
心だけ繋ぎ止めようとても…貴方は此処にはいない。
決して、もう二度と戻らない。


完璧ではいられないと、呻いて…。
また、求めたがる…寂しさと紙一重の愛情。
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