あなたと私の関係
「っ…あれは!柏木くんの言う通り初めて、でした…!」
今思い返しても涙が出そう。
好きじゃない人と初めて触れ合うことが、あんなにもショックだとは思わなかった。
「柏木くんみたいにキラキラした人には分からないかもしれないですけど、私にとっては特別なことだったんです…っ」
消えない事実はいつまでも頭の隅っこにあって。
もう戻ってこないんだよ。この先誰と何回キスしたって、初めての記憶はあのまま消えないんだ。
そのことが、こんなにも悔しくて悲しいこと、分からないの?
「……やっぱりかわいーね、彩羽ちゃん」
「冗談はもうやめてください…」
「冗談じゃないよ。雨宮さんなんてやめて俺にしない?」
「な、何言って…」
「あんなの見てたらわかるよ。親戚なんて大嘘に決まってる」